音をカタチにする。

なんてムリな話ですが、たとえば、菩薩が笛を吹くならば、どんなでしょう。

イメージからカタチをつくる。

不思議な笛の音と、空間が共鳴したならば?

ちょうど頂いた楠の神代は、木目もまだらでふつうに仏さまを彫るには不向きでしたが、ちょっと濃い色の木肌が美しく何とか生かしたいとの思いがカタチになりました。

材の容量いっぱいにスケッチを描き、粘土で試作そして材に落とし込む作業。

神代の楠木に一刀目をいれたとたんの、芳しい香り!

普通の楠よりもはるかに素晴らしい香りに包まれながらの彫刻は楽しいものです。

少々カタイのも難なんですけどー。

彫り進めるうちに、割れがでたり小さな節や入り皮みたいのが出たりしますが、なんと。

出ました顔に…

何とか顔を奥につめていくと綺麗に省かれたのでほっとしました。

なんだかんだとあるものの、何とか上手くまとまりそうです。

妙なる音が聞こえるでしょうか。


理性院の門をくぐると、正面にたくさん石仏が出迎えてくれます。

なかなかの数で、これだけあると圧巻ですね。

醍醐寺の塔頭のひとつではありますが、此方の本尊さまがとても珍しい仏さまです。

残念ながら秘仏でお目にはかかれません。

大元帥明王という明王さまですが、相当怖いカンジのお姿です。

理性院流の大元帥法を長きに渡り護持してこられた寺院のなかは、至って静かで落ち着いた雰囲気に包まれています。

荒ぶる仏さまとは対照的なんですね。

聖天さん、いわゆる歓喜天をお祀りするお堂もあって、よく考えたらめちゃコワイ仏さまばかりがおられます。

いずれもシロウトがさわれない?仏さまなんですよ。

何でも手に入る昨今ですが、さわってはイケナイ、拝見する事も憚れる存在もあるのですね。




玉眼の開眼をし終えたところです。

修復のためお預かりしているのですが、玉眼の場合は、ガラスが嵌め込まれているので内側から目玉?な様子を描き込みます。

大抵はお面のように、顎のあたりや耳の後ろで剥ぎ合わせる仕組みです。

こんなふうに並んでるのも珍しいですよね。

十二神将なんで、いろんなお顔です。

元のお顔の画像を見ながら同じように裏側から描いておいて、目のフチも赤みをさしてー。

最後に白目にあたるところはワタを仕込むとなかなかのリアル。

後は剥ぎ合わせて漆の下地をしたのち、彩色という事になります。

こういう修復の仕事も、なかなか大変です。

前の傷んだ下地など全て剥がすと、結構バラバラになってしまいます。

パーツになったひとつひとつをパズルのように組み合わせていくのは、なかなか根気のいる事で、全く欠損している場合は新しく木を足してつくります。

こうして令和の時代を超え、仏さまはこれからも永らえて行かれるのですね。


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