これは迦楼羅(かるら)の伎楽面を復元をしています。

飛鳥時代、最古の伎楽面を同じにつくる。

面ですから等身の仏さまの頭部のみを拵えるわけです。

そんなに難しいお題ではないのですが、いやしかし!

完成に至るまで、わかる限り同じ工程をふむとなるとなかなかハードルは高くなってきます。

ここは仏所の腕の見せ所という事でしょうか。

同じような木目になるよう材を選び、データを元に作った樹脂型を原型に彫刻をしていきます。

欠損した部分は現存する他から推測したり、当時の制作者の思いを重ねて想像したり。

もちろん接着剤も漆などに混ぜ物をしたノリや盛り上げ材を使ったり、彩色も当時と同じような材料を探し、試しながら進めていきます。

けっこう手に入るものや今だに使っているものも多く、案外進歩がないという事?いやいやすでに完成されていたという事ですね。

現代では、材料の選択肢が増えているのですが、昔ながらのものが案外良かったりすることも多々あるのですよ。

思いのほか手間のかかる仕事ではありますが、1400年前の感性の鋭さと、技術の確かさに思いを通わせられた事が収穫です。


さわやかな青もみじが美しい季節です。

栂尾の高山寺。

前から訪れたいと思っていました。

住まいから車で約30分、決して遠いわけではないんです。

妙に遠く感じていて、いざ来てみると「なんだ近いやん。」

ただ昨年9月の強烈な台風のおかげで、参道や山木が荒れてしまい未だに工事中です。

裏参道からの石水院のみの公開で、あとはお参りできませんでした。

残念!

大阪の香雪美術館で高山寺と明恵上人をテーマに企画展が開催されていて、とても面白かったのですよ。

明恵上人という人がとても興味深く惹かれるものがあり、栂尾の地を訪れるきっかけとなりました。

ここだけとはいえ、この石水院も国宝です。

落ち着いた佇まいのこの建物では善財童子のお出迎えに誘われ、縁側から青もみじがみずみずしくも鮮やかなのです。

全てが整うまでお預けですが、また来る機会をいただけるという事ですね


明王を描いています。

足元に踏みつけられている鬼、片足ずつ2人?2頭?おります。

邪鬼なので見るからによこしまな様子を描くのですね。

それなりにバリエーションがあって、ガタイのいい、ちんちくりんな感じは共通したところですが、鬼らしくツノがあったり指の数を少なくしたり、髪もザンバラなりに巻いていたりなかったり。

踏みつけられて苦悶の表情なのですが、それぞれにユーモラスなお顔の表現も特徴です。

いわゆるワルモノを醜悪に描くなかで、それが他者であるだけではありません。

どんなヒトの中にも潜んでいる邪気を邪鬼としてカタチを持たせた姿なんでしょうか。

踏んでいる明王と踏まれてる邪鬼はいずれもヒトの内にあって、このバランスが鏡となって描かれてきたのですね。

ずーっと踏みつけておかなと、直ぐにむくむくと集まってろくでない事になりますよ、と教えてくれているのです。


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