お修理のためにお預かりしていた仏さま。

 

いよいよ取り掛かるのに、中から音かすることから底板を外す作業を始めました。

 

漆を塗った底面をめくってびっくり。

一面に、南無阿弥陀と墨書きされています。

それが幾重にも重なっているのです。

 

これはあやしい。

 

どうやら全身南無阿弥陀と書いた紙に包まれてから漆が塗られいたようです。

こういうのは、見たことない。

 

紙には柿渋が塗られた感じです。

湿気が入らないようにしたのでしょうか?

 

ますますあやしい。

 

像高60センチ程の座像なので、たいてい中は空洞です。

底板がぴっちりはめ込んであります。

 

うーん。

これは何かありそう、な気がする。

出てきたんです!

 

胎内に納入品が入れられていたんです!

 

由緒あるお寺ですが江戸時代の仏像なので

歴史的な評価は決して高くはありません。

 

とはいえ創建は平安時代であり、350年程前に現在の寺のありよう(当ブログ"二つの寺"でふれています)になりました。

 

本尊は当時から表面的な修理のみに済まされていたんですね。

 

中に入っているのを確認した時はもう、トリハダものです。

 

おー!!!

慌ててお寺や関係者の方に連絡したりと大騒ぎです。

 

中には大小の巻物が四つと、なにやら怪しげな包みがひとつ。

 

勝手に開ける訳にはいかないので、関係の方を待つことに。

 

で、いよいよです。

 

仏像の専門の大学教授に来訪いただき、お寺のご住職にそろそろと巻物の紐を解いてもらいます。

 

なにが書かれてたか?

                                   次回つづきます。

 

 

      普賢さまの白象


象、獅子、水牛、孔雀、ガチョウ、蛇、狐
などなど、
仏さまの、チカラの象徴として、動物たちが登場します。

多くは、その上に乗っかるスタイルですね。

もちろん誰でも適当に乗せればいいわけではなく、決まりはあります。

普賢菩薩は、白象
文殊菩薩は、獅子
大威徳明王は、水牛
孔雀明王は、孔雀
などなど

軍荼利明王は、たくさんの手に蛇を巻きつけたりなんかして

仏さまはともかく動物たちは子どもたちにウケます。

大人に連れられ展覧会に来てくれたとき、仏さまを乗せてるほうのぞうさんなど動物たちにとても反応してくれます。

現実から少しデフォルメされたユニークな動物たちは、この世ならぬ仏さまの世界を身近にしてくれます。

このおかしみのある動物たち。

象やライオンなど見た事のない昔の仏師がつくるからリアリティーのないカタチになったとしたら
ホントのところを知ってリアルにこしらえることもしてみたのです。

が、これが合わないんですよー。

なんだかなー。

仏さまを乗せるべきカタチがあることで並の動物たちではないチカラを感じさせてくれるのですね。

      製材されたもの


どんな木を使いますか?

仏所に見学に来られたかたのほとんどがこの質問をされます。

では、仏像にとって材料となる木は
何を重要とされるのでしょうか?

まずはよく使う檜から。


それも木曽檜。

そう言われて、おおスゴイと思われるのは建築関係の方くらいですかね。

檜はもちろん木曽以外の土地 ( 九州、四国、本州は福島県あたりまで ) で広く分布していますが、
木曽檜は、檜の中の檜なんです。
ブランドですね。

自然の厳しい木曽で育まれた檜は、香りの良さはもちろんのこと
そのキメの細かさと色合いの美しさ
狂いの少なさを特徴とし、また彫刻に適した柔らかさがあります。

まっすぐに目が通っているので、寄せ木づくりにしたりできます。

楠は個人的に良く使います。

ノミを入れた時の感触 (めちゃカタイときもあり ) と、飛び散るように香るスーッとした香りがとても好きです。

独特の木目で、いろいろな方向から刃先が入ってくれるので私のつくりたい作品には向いているのです。

比較的暖かい地方 (九州、四国、本州中南部
)に分布しており飛鳥時代にすでに仏像に使われています。

榧(かや)も必要に応じて、特に小さく細かな彫刻の仏像に使います。

少し前までは、インド産の
老山白檀を良く使ってたのですが、
原木の輸入が無くなってからは材料自体が希少価値の高いものとなってしまいました。

いずれの材にも仏像にとっての大切な共通点があります。

それは古くから言われていることで

とても大切な事なんです。

仏像は香木でつくること。




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