仏さまにまつわる形の無いものを表現するに、なくてはならないものがあります。


仏さまは存在そのものが輝くということで、
輝きをあらわす光背…こうはい
後光…ごこう  ともいいますね。
仏さまの背後にオーラというか光りをあらわすものを設置するんですね。

絵画だったらうまく空間を利用してぼかしたり強弱をつけたりと表現しやすい部分なのですが、彫刻は別のものになります。

いろんなスタイルがあるんですよ。

大きくわけて身体全体から発する意味で舟形

頭部から発する意味で一番シンプルな輪っかのような輪光
丸いけど先の尖った宝珠形
光を放射状にあらわす針光背などがあります。

とても凝ったもの、素晴らしく綺麗なものなど紹介しきれない程たくさんのバリエーションがあります。

意匠を凝らしたデザインも面白いですよ。

雲をあしらったもの。

水煙を美しくたなびかせたり

リズミカルな唐草模様に宝相華と言われる架空の華をあしらったもの。

飛天が飛んでいるのや

化仏…けぶつ  といわれる、小さな仏さまがいっぱいついているものなど。

もちろん、火焔光背も様々な形があります。

仏さまが素晴らしければ無くてもいいじゃない、という考え方もありますが

より仏さまの世界を表現するに大切な要素である事は否めません。

仏さまのイメージや世界観にあわせ、
あれこれ考えるのも仏師のセンスが問われるところですね。

次に来るもの、
もう、おわかりですね。

水…でございます。

これも形が定まりませんね。

雲も水蒸気ですからある意味同じとするべきなのかもしれませんが

この場合は、川や海など液状のものを指す事にします。

画像のは石庭のミニチュアです。

石の配置などあーでもないこーでもないと並べて砂に波紋を好きに描いて遊ぶので、結構たのしいんですよ。


で、川であれば流れを、海であれば波やうねりの大きさで水のエネルギーまで表現することになりますね。

波濤を加えるとより激しいカンジになります。

湖沼はあまり流れを意識せず、波紋など表面の動きの変化を描くのですね。
波紋など、とても美しいですよね。

波でもなんでもリピートが大切です
リズミカルにリピートしている様は同一の質のもの…水にカンジるのですよ。

同じ水でも動の表現と静の表現を使い分けることで、場のイメージが変わってきます。

弁財天さまは水とゆかりがあるので
周りを水に囲まれた岩座などに安置する事が多いですね。

なので竹生島や江の島など実際に水に囲まれた島にお祀りされてるのは有名ですが、
池などの真ん中に弁財天さまをお祀りしてあることもよく見かけます。

水の表現としては他に水煙…すいえんがあります。

滝など細かく飛び散って霧のように立ちのぼる感じの様子とあり、塔の上にある九輪の上部についています。

薬師寺の五重の塔で
飛天をあしらったものが有名ですてきですね。


身近にあって私たちの生活においてもなくてはならないもの。

役立てるためにコントロールしなくては
えらい事になります。

火焔…燃えさかる炎。

仏さまの世界にもよく登場します。

不動明王の身体を取り巻くような火焔光背はよく知られていますね。

容赦なく全てを焼き尽くす炎は恐ろしくもありますが、悪いモノゴトも焼きはらってくれるような気がします。

最近では、身の回りで炎を間近に見る機会がなくなってきました。

寺院ではお護摩を焚かれる事がありますね。

お坊さまがきちんとコントロールしておられるのでココロ置きなく炎の動く様を拝見できます。


ドンドン燃え盛る炎は生き物のように激しくなり、伝わる熱さで気持ちもハイになってまいります。
身体の奥底の原始的な何かをくすぐるというか。

無事に炎がおさまると、なんともココロもカラダもすっきりするのは不思議な感じです。

で、この火焔を大なり小なり表現するのですが、大きくうねるような炎は風を巻き起こし動的な怖さをダイナミックに表現します。

めらめらと舌のような炎は規則性をもちながらもそれぞれの動きと呼応し
それでいて不規則な動きも混じえます。

なーんて、文章にするとワケわかりませんが、いろいろな例をみたり、描いたりしていくうちに、こんな感じかなと掴めていくのですね。

ちなみに不動明王の火焔光背には迦楼羅炎と言って鳥のような炎を配します。


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