宇治のほうに用事があったので萬福寺へ立ち寄る事にしました。


冬枯れの池のハスや、雪がちらほら降る様子はなんとも風情を感じますが、うー寒い!


幸い?風がなかったのでまだマシとはいえ

この冬の寒いこと。


"冬来たりなば春遠からじ"と呪文のように自分に言い聞かせ、総門から三門を抜けると

真っ直ぐ正面に天王殿があります。


解放された入り口に、こちらをむいてでーんと金色の大きな布袋さんが出迎えてくれます。


こんな寒い日でも大きなお腹を出しておおらか笑ってにおられます。


背中あわせてに韋駄天、左右に四天王と

中国風の仏さまにご挨拶。

天王殿を後にして大雄宝殿、いわゆる本堂に向かいます。


ここは三門から大王殿、大雄宝殿、法堂と一直線上に並ぶスケールの大きさとたたずまいに 当時の中国らしいかおりがして すてきなのです。


大雄宝殿のお釈迦さまにお会いして、周りにおられる十八羅漢のユニークな姿と、舌を噛みそうな名前を読み上げながら(うるさい?)

楽しく次の法堂へ。



おー!法堂からみた大雄宝殿!


すてきです。

法堂の中は入れませんが、建物とその空間がなんとも良いのです。


寒くなく時間が許せば、

しばらくのその場に座っていたい。


この空間に身を置きたいヒトの為にちゃーんとベンチがいくつも用意されていました。


暖かくなったらまた来よう!


萬福寺 ここから




これから制作する誕生仏の粘土原型です。


そう、生まれ出たその瞬間から、モノゴトは古くなっていきます。

仏像も例にもれずですが、経年したからこそ素晴らしくなってゆくのもまた、仏像でしょうか。

汚れや劣化もなんとも言えないアジとなって
より神秘的になられてる仏さまたちです。

ただ博物館などの施設に入ってしまわれると、文化財いわゆる美術品になってしまう事が少し残念ですね。

明るいところで前後左右観れるのはありがたいですけど。

お寺で大切に安置されている仏様に出会うとほっとします。

そういう意味では奈良など古くからある伽藍にきちんとおられるのって、すごいなぁと。

劣化していくことを止めることは出来ませんので、今残っている古い仏さまたちもそれなりにケアされてきたワケです。

特に木彫においては完全な姿で残ってるのは少なくて、間で誰かが修理しています。

よくあるのは、台座光背が後年のもの。
手指、持ち物などは、壊れたり失くしたりしやすいので、修理されていたりといろいろです。

テキトーな修理をされているのもあって笑って(ごめん)しまう事も。

一番悲しいのは、ほったらかされてばらばらになった仏さまでしょうか。


仏所では、新しい仏様をお造りすることが主ですが、お修理することもまた大切なお仕事です。

仏様はたいてい暗い奥まったところにおられるので、気のつかない間に思いのほか傷んでいるものです。

ネズミに齧られるなんてけっこうある事だし、木で出来てるので中が虫喰いになってたりと
黙っておられますが、ツライ状況になってたりするのですよ。

で、それぞれ事情に合わせてお直しをします。
中から納入物が出てきたり、内側に何やら墨で書いてあったり
当時の仏師の彫りあとの素晴らしさを垣間見る事は、お修理の面白いところでしょうか。

ばらばらになったパーツをパズルのように根気良く合わせて元の形に戻して行き
昔の修理が適当でない場合はやり直し
無い部分は作り、当たり前の元の姿に戻って頂くべく、持てる技術を駆使するのも仏師の役割です。

新たに彩色を施したり漆箔をした後、開眼をすませると、みちがえるようになったお姿に

これはどこのどなた?

と思うくらいパワーを取り戻し、また皆のために働いてくださるのだなぁと思うのです。

また少し古くなった感じが必要となれば、古色仕上げにするときもあります。

どこを直したんだ⁈

というくらい
直した事がわからないようにするのが仏師や彩色師の腕の見せどころかな。


この仏像はなんでしょう?と言われて

○○像ですね。と答えられる人は、けっこうな仏像マニアと思いますよ。


菩薩にしろ如来にしろ、皆んな同じような印象ですが、どこでわかるの?と言われたら、手のかたち、いわゆる印相や持物がわかりやすいかな。


この仏さまは合掌していますね。


合掌した菩薩を調べると、おおかた普賢菩薩か勢至菩薩のどちらかです。


じゃあどっち?

どっちでも良いことはないですよ。


この菩薩は、白象の上の蓮華座に座っておられます。

そう、普賢菩薩さまでした。


わからないですよね。


如意という持物をもつ場合もあります。


ちなみに勢至菩薩さまは、宝冠の飾りに水瓶が現されています(無い例もあり)。

阿弥陀さまの横についておられますよ。


この普賢菩薩は総檜造り 木地截金彩色仕上げでちょっとユニークな白い象さんに乗っています。


沢山の部品を作らねばならなかったのでホントに出来あがるのかと不安になりましたが

真やさんに截金彩色してもらって組み上がった時には、イメージしてたとおりでした。


なんとも嬉しかったのを思いだします。




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